妊娠に伴う高血圧の治療
|
 |
従来、妊娠中にみられる高血圧のうち蛋白尿・浮腫を認めるものを、妊娠中毒症と呼んでいました。2003年、日本産婦人科学会、日本妊娠中毒症学会が中心となり新しい妊娠中毒症の定義・分類が提案され、妊娠高血圧症候群との名称に改められました。
妊娠に伴う高血圧の治療については、母体と胎児に対する安全性を考慮して行う必要があります。降圧目標、降圧薬の選択は、個々の病態によって異なりますので、当院では産科医と連携しながらの治療を行っています。
|
 |
|
妊娠高血圧症候群
|
|
|
当院の辻恵美子院長がオールアバウト高齢出産に取り上げられました。
「妊娠高血圧症の原因・症状」
【定義】
|
|
|
 |
妊娠20週以降、分娩後12週まで高血圧が見られる場合、または高血圧に蛋白尿を伴う場合のいずれかで、かつこれらの症状が単なる妊娠の偶発合併症によるものではないもの。
|
|
|
【病型分類】
|
|
|
|
●妊娠高血圧腎症(preeclampsia)
|
 |
妊娠20週以降に初めて高血圧が発症し、かつ蛋白尿をともなうもので分娩 後12週までに正常に復する場合。
|
●妊娠高血圧(gestational hypertension)
|
 |
妊娠20週以降に初めて高血圧が発生し、分娩後12週までに正常に復する場合。
|
●過重型妊娠高血圧腎症(superimposed preeclampsia)
|
|
(1)
|
高血圧症(chronic hypertension)が妊娠前あるいは妊娠20週までに存在し、妊娠20週以降蛋白尿をともなう場合
|
(2)
|
高血圧と蛋白尿が妊娠前あるいは妊娠20週までに存在し、妊娠20週以降、いずれか、または両症状が憎悪する場合
|
(3)
|
蛋白尿のみを呈する腎疾患が妊娠前あるいは妊娠20週までに存在し、妊娠20週以降に高血圧が発症する場合
|
|
●子癇(しかん)(eclampsia)
|
 |
妊娠20週以降に初めて痙攣発作を起こし、てんかんや二次痙攣が否定されるもの。痙攣発作の起こった時期により、妊娠子癇・分娩子癇・産褥子癇とする。
|
|
|
|
【症候による亜分類】
|
|
|
|
●重症、軽症の病型を高血圧、蛋白尿の程度によって分類する。
|
 |
(軽症)血圧が次のいずれかに該当する場合
|
|
 |
140mmHg ≦
|
収縮期血圧
|
< 160mmHg
|
90mmHg ≦
|
拡張期血圧
|
< 110mmHg
|
300mg/日≦
|
蛋白尿
|
< 2g/日
|
|
|
(重症)血圧が次のいずれかに該当する場合
|
|
|
収縮期血圧 ≧ 160mmHg あるいは 拡張期血圧 ≧ 110mmHg
|
|
|
* 蛋白尿 ≧ 2g/日以上の場合、蛋白尿重症とする
|
●発症時期による病型分類
|
|
妊娠32週未満に発症するものを早発型、妊娠32週以降に発症するものを遅発型とする。
|
|
|
|
【治療】
|
|
|
|
非薬物療法
|
 |
●食事療法
|
|
 |
塩分制限
|
7〜8g/日(予防には10g/日)
|
|
|
総カロリー
|
妊娠中の適切な体重増加がすすめられる。
|
|
|
|
BMI<18
|
10〜12Kg増
|
BMI18〜24
|
7〜10Kg増
|
BMI>24
|
5〜7Kg増
|
|
|
|
水分摂取
|
肺水腫、腎不全以外では制限しない。
|
|
●生活指導
|
|
|
安静・ストレスを避ける(予防には軽度の運動)
|
|
|
|
|
薬物療法
|
 |
本邦においては、殆どの降圧薬が妊婦・授乳禁忌薬とされています。妊娠を継続させるためには、母体と胎児に対するリスクと有益性を考慮した降圧薬の選択が必要です。
|
|
|